保育園の年間行事のスケジュールについて
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保育の年間行事のスケジュール
保育園では、新年度に入ってすぐに1年間の行事スケジュールを立てます。この1年に、いつどの行事を行うかを決めておくことで、見通しを持って準備を進めることができます。
4月 入園式
入園式は、新しく入園してくる園児を迎える大切な式です。初めての園生活を迎え、緊張している子どもたちが親しみや安心感を感じ、新しい生活への期待を持てるよう、門や受付、保育室や遊戯室などに、かわいらしく明るい雰囲気の飾りをつけたり、春らしい壁面にしたりします。入り口に受付を設置し、当日渡す書類や名札、受付名簿をクラスごとに用意しておきます。
前日までには、園児の席やロッカー、靴箱や荷物かけに貼っている名前の間違いが無いか確認し、遊戯室の準備もすませておきます。当日は、式の後で各クラスに分かれ、担任が保護者と園児に挨拶をします。次の日からの登園後の流れなどを説明したり、受付で渡した書類の説明をしたりするので、事前に書類に目を通しておきましょう。
5月 遠足
園外を自分の足でいつもより遠くまで歩き、自然の移り変わりに気づき親しむことがねらいです。また、交通ルールを守って、安全に行動することの大切さを知る機会でもあります。
事前に必ず、保育士自身が目的地まで歩いて、道中に見通しの悪い交差点はないか、蜂の巣などはないか、また、目的地のトイレの状態や、危険な場所はないか、など安全確認をしておきましょう。子どもたちにも紙芝居や絵本を使って、信号の見方や道路の歩き方を伝えておきます。誰が引率につくか、もしもの時に車を出す職員は誰かなどを決めておき、当日は各担任それぞれが、救急セットや園児の緊急連絡先リストを携帯します。
7月 プール遊び、七夕
プール遊びは、水の冷たさや感触を全身で感じ、夏ならではの遊びを楽しむことがねらいです。
安全に遊ぶためには、ルールを守ることが大切であることを園児が理解できるよう、事前に紙芝居や話をして知らせておきます。
衛生面では、プールが始まる前に、園全体で、熱中症予防やプール付近の安全対策、救急体制などを確認し、保護者には、感染症の症状がある子はプールに入れないこと、爪を切っておくこと、など、注意事項の手紙を出しておきます。七夕は、行事の由来を知り、七夕にちなんだ製作(短冊や笹飾り)をしながら、想像力を豊かにし、夢をたくす楽しさを味わうことがねらいです。また、夏の夜空に興味や関心を持つきっかけとなります。笹飾りを飾る竹を用意したり、七夕に関する絵本や紙芝居、時には職員劇などを準備し、日本の伝統行事を子どもたちにわかりやすく伝えます。
9月 敬老の集い、お月見会
敬老の集いは、核家族化が進むなか、祖父母とふれあう機会を持ち、感謝の気持ちを伝えることがねらいです。
集いに参加して下さる祖父母へ年長児が招待状を書いて出したり、祖父母と子どもが一緒に楽しめるゲームやふれあい遊びなどを準備したりします。
立ったり座ったりや激しい動きのない、祖父母に負担がかからないようなプログラムを考えましょう。
祖父母へのプレゼントは、園児の年齢に合わせた製作で作ります。「おじいちゃんおばあちゃんに喜んでもらえるといいね」などと祖父母の喜ぶ顔を想像できるように声をかけながら進めていくと、より楽しく製作にとりくめます。お月見会は、誕生会と一緒に開催されることが多いようです。日本の伝統行事の意味を知り、絵本や製作などを通して親しみをもって楽しむことがねらいです。お月見会を行う遊戯室や保育室に、ススキや秋の花を飾り、お団子や秋の果物を供えておきます。当日までに、月に関する絵本やペープサートをしたり、お団子やススキなどの製作をしたりします。
10月 運動会
運動会は、友達と協力しながら最後までがんばることの素晴らしさを知ったり、親子で楽しく体を動かしてスキンシップをはかったり、練習してきた演技を見てもらって達成感を味わったりすることがねらいです。みんなで並んで歩くこと、かけっこやリレー、力を合わせて競技すること、ダンス発表など、さまざまな内容があるので、早めに曲や競技、ダンスの内容を決めておきます。子どもたちが保育のなかで無理なく経験と練習ができるよう、スケジュールを考えて進めていきましょう。また、競技やダンスに必要な物も、予行演習までには全てそろっているよう、ゆとりを持って準備していきます。
12月 クリスマス会
クリスマス会は、クリスマスについて知り、サンタクロースやリースなどの製作をするなかでクリスマスに親しみを持ち、楽しく会に参加することがねらいです。準備としては、クリスマス会のプログラムを決め、職員の出し物を決めたり、サンタが登場するのであれば、サンタ役を決めたりします。当日までに、クリスマスの歌や絵本・手遊びなどを楽しんだり、サンタクロースやツリー・リースなどを製作して、少しずつ保育室の中に飾りつけていくと、クリスマスの雰囲気が盛り上がりますよ。
2月 節分、生活発表会
節分行事は、日本の伝統文化である節分の由来を知り、春を待つ気持ちを持つことや、自分をみつめ、自分のなかの悪い鬼を豆まきで追い払い、より良くなろうとする気持ちを育てることがねらいです。保育の中で、節分の歌を歌ったり、絵本を読んだり、手遊びをしたり、鬼のお面の製作などをしたりしていくなかで、由来を伝えていきましょう。発表会は、劇や音楽などの表現活動を通して、子どもたちの成長を保護者に見てもらう会です。客席から拍手を受け、保護者からほめてもらうことで、子どもたちが達成感や表現することの喜びを味わい、また、恥ずかしい気持ちを乗り越え、心をこめて発表することの大切さを知ることがねらいです。運動会と同じく、日頃の保育の中で積み重ねてきた経験を発表するので、年度初めから大まかな内容を考えておき、劇の絵本を読んだり、楽器に親しんだりするなど、早い時期から少しずつ取り組んでいきましょう。また、楽器や大道具・小道具などの出し入れを他の職員が手伝うことが多いので、準備物や配置などをわかりやすく書き、プログラムの進行も園全体で共有し、担当などを確認しておきます。
3月 ひなまつり、卒園式
ひなまつりの由来を知り、日本の伝統行事に親しみを持って楽しむのがねらいです。ひな人形の製作を通して、子どもたちが自分なりに工夫しながら最後まで根気よく作り、達成感を味わったり、友達の作品を鑑賞たりして、認め合う心を育てます。製作に必要な材料で、例えば牛乳パックなどを家庭から持ってきてもらう場合は、早めに園便りなどで伝えておきます。卒園式は、保育園での思い出にひたりながら自分や友達の成長を喜び合い、就学への期待をもって、保護者とともに保育修了を喜び合う大切な式です。周囲のみんなに祝福され、感謝の気持ちを表現します。当日までに卒園児につけるコサージュを作っておいたり、お祝いのメッセージや絵を保育室の黒板に描いたりします。また、式がスムーズに進行するよう園全体でも話し合い、流れや各担当を決めておきます。卒園式に、園生活の写真をまとめたアルバムを記念品として園児に渡す場合は、年が明けたら少しずつ写真や中に入れるメッセージなどの準備をしておきます。
初めて行事の準備をする保育士の方へ
初めて行事の準備をする時は、何から始めたらよいか悩んだりすることもありますよね。まずは、自分なりに会の流れや準備することを考えてからベテランの先生に相談すると、いろいろとアドバイスをもらえますよ。どの行事にしても、準備を早くして早すぎることはありません。ゆとりを持って進めていきましょう。