企業内保育所とは|企業内保育所の仕事内容と企業内保育所で働くメリット・デメリットを解説します

企業内保育所

企業内保育所とは企業の中に設置されている保育所です。主に企業に勤める従業員の子どもを預かっています。少人数保育になる場合も多く、一般的な保育所とはまた違う雰囲気を持っています。この記事では企業内保育所での保育士の仕事内容や、企業内保育所で働くメリット・デメリットを解説いたします。

企業内保育所とは

企業内保育所とは、文字通り企業の中に設置されている保育所のことです。子どもの預かり先がないために、出産後なかなか職場復帰できない女性社員は少なくありません。従業員の子どもを預かる企業内保育所は、女性社員の復帰を促す点で企業自体にメリットがあります。従業員にとっては子どもの近くで働けるという安心感があり、女性の社会進出が進んだ現代において需要が高まっています。企業内保育所は主に事業所内保育事業タイプと企業主導型保育事業タイプに分類されます。

事業所内保育事業タイプの企業内保育所は認可保育所の一種で、0~2歳までの乳幼児を預かる施設です。このタイプの企業内保育所は地域型保育事業の一環として認可を得ていますので、定員の4分の1を地域の子どもを預かるための枠とする義務があります。従業員の子どもだけでなく、近所の子ども達を預かることも想定されている施設なのです。また定員数20名以上の場合、職員は必ず保育士でなければならないという規定もあります(定員数19名以下の場合は職員の半数以上が保育士)。

一方で企業主導型保育事業タイプの企業内保育所は認可外保育施設となります。預かる子どもの年齢制限は特になく、週数回だけ、短い時間だけなどニーズに合わせた柔軟な運営形態をとることもできます。定員の2分の1までを地域の子ども達を受け入れる枠として設定することができますが、これは義務ではありません。従業員の子どもだけを預かっているタイプもあれば、地域の子どもたちがたくさん通う保育所もあるということです。職員の規定は若干緩めで、定員数に関わらず半数以上が保育士であれば問題ありません。

企業内保育所の仕事内容

企業内保育所といっても仕事の内容は基本的には通常の保育園と同じようなものです。子どもの食事・排泄といった日常の生活補助をし、散歩や遊びの相手をして健康で安全な一日を過ごせるようにするのが企業内保育所の仕事です。ただし、通常の保育園につきものの行事は少なめのところが多いです。そのため、イベントに向けて作り物をしたり、子どもに出し物の指導したりすることはあまりないでしょう。特に0~2歳の乳幼児を預かる事業所内保育事業タイプでは、ミルクや食事の介助、オムツの世話といった養護面での仕事がメインになります。体の小さい乳児に対しては睡眠時の呼吸チェックなど安全面での配慮も非常に重要な仕事です。また人数の少ない企業内保育所では年齢ごとに子どもを分けず、縦割り保育を行っているところもあります。年齢が違う子どもたちをどのように一緒に保育していくのか考えるのも仕事の1つになるでしょう。さらに企業内保育所では一般的な保育園とは別のタイムスケジュールが必要になる可能性もあります。企業内保育所は設置主の企業にあわせて運営されます。夜勤者向けの企業内保育所の場合は夜間に子どもを預かることもあるというわけです。夜間勤務の場合、長時間子どもの睡眠を見守ったり、規則正しい就寝・起床のリズムを作り出すことも仕事のうちに入って来ます。

企業内保育所で働くメリット

企業内保育所で働くメリットはいくつかあります。まず従業員の子どもを主に預かる企業内保育所は小規模保育所になることが多く、アットホームな雰囲気で子どもを保育することができます。子ども1人1人と向き合いたいという保育士向けの職場です。次に休みの計画が比較的立てやすいことです。公立・私立保育所は通常の保育時間に加えて早朝・延長・休日保育などが発生します。それに対し、企業内保育所では企業の仕事時間と休日が保育所にも反映されるのでカレンダー通りの勤務がしやすいのです。さらに、企業内保育所では行事等が少なめで、行事に伴う仕事も減ります。そのため残業が発生しない職場を探しやすいというメリットがあります。

企業内保育所で働くデメリット

企業内保育所にはデメリットもあります。まず企業内保育所のある企業の都合に合わせて作られた保育園なので、一般的な保育所と比べると保育環境が充実していない可能性があります。園庭が狭かったり、あるいはまったく外に遊ぶ場所がなかったりすることもあります。とはいえすべての保育所が環境不足というわけではなく、場所によって保育環境はまちまちです。就職前にどのような保育環境を確かめることが大事です。また、企業内保育所は小規模で低年齢中心の所が多くなります。保育士の性格によっては集団をまとめるやりがいやイベントを成功させたときの達成感がない点がデメリットに映るでしょう。保育士としてたくさんのことを経験したいという人にはあまりあわないかもしれません。

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