病児保育とは|病児保育の仕事内容と病児保育で働くメリット・デメリットを解説します
病児保育とは
「病児保育」という言葉は聞いたことがあっても、詳しくは分からないという方が多いのではないでしょうか。病児保育について分かりやすく説明します。
病児保育の内容と目的
子どもが病気になったが、仕事を休むことができず、家庭でみることができない…そんな時、保護者の代わりに病気の子どもを保育士や看護師が、病院・保育所などで一時的に保育・看護することを病児保育といいます。病児保育を行うことで、保護者が安心して子育てできる環境を整えることが目的です。
病児保育の4つの型
病児保育には、次の4つの型があります。型によって、対象となる子どもや実施場所が定められています。
- 病児対応型:病気の子どもが対象。病院・保育所に設けられた専用スペースなどで一時的に保育する。
- 病後児対応型:病気の回復期だが、集団保育が難しい子どもが対象。病院・保育所に設けられた専用スペースなどで一時的に保育する。
- 体調不良児対応型:保育中に体調不良になった子どもが対象。保護者の迎えまで一時的に預かる。
- 非施設型(訪問型):病気や回復期の子どもが対象。子どもの自宅へ行き、一時的に保育する。
型によっては、病気の子どもの保育をする保育士のほかに、看護をする看護師の配置が義務づけられており、違う職種同士での連携も必要です。
病児保育の役割
子どもが急な熱を出したが、仕事を休むことができない、代わりに見てもらえる人が近くにいないなど、共働き家庭や核家族が増えている中で、病児保育へのニーズが高まってきています。病気の子どもが安心・安全に過ごすことができるようにするとともに、保護者のニーズに応え、子育てを支援するという大事な役割を担っているのが病児保育です。
病児保育の仕事内容
病児保育で働く保育士の仕事内容を、具体的に見ていきましょう。保育園やこども園での保育士の仕事と大きく異なる点は、病気や回復期の子どもが安心・安全に過ごせるように、心と体のケアをしながら保育をするということがあげられます。病児保育で関わる子どもたちは、病気で体がしんどいことはもちろん、保護者と離れ、いつもと違う環境に不安な気持ちでいっぱいです。子どもが安心して体を休めることができるように気持ちに寄り添い、丁寧な関わりを持つことが求められます。また医療行為は行いませんが、経過を観察したり、汗をかいた服の着替えや食事など身の回りの援助をしたり、感染症対策で室内の環境を整えたりすることも病児保育で働く保育士の仕事です。さらに、症状や安静にしなければならない度合い、発達段階など、子どもの姿に合わせた遊びの環境も整えます。安静が必要な場合には、絵本の読み聞かせをしたり、ほとんど通常の生活ができる状態の場合には、一緒にボール遊びや製作などをしたりすることもあります。そのほかにも、保護者に子どもの姿を伝えたり、不安な思いや悩みを聞いたり、適切に病気への対応ができるように助言をしたりします。保護者の気持ちに寄り添い、子育ての支援をしていきます。
病児保育で働くメリット
保育園やこども園では、月案や日案にもとづいた計画や行事が決まっていることで、1日の保育に追われ、子どもとゆっくりと関わることができなかった…という経験があるのではないでしょうか。病児保育では、少人数の子どもと関わる場面が多いため、ゆったりとした保育ができることがメリットです。製作物の準備や書類の負担、残業が少ない場合が多いようですので、体力面でも余裕を持って子どもと関わることができます。
病児保育で働くデメリット
保育園やこども園では、子どもと1年を通して一緒に過ごします。進級や卒園の時には、立派に成長した姿に感動したり、やりがいを感じたりすることもあるでしょう。一方で病児保育では、一人の子どもの成長を長期で見守ることは難しいです。「成長した姿を見ることができないのは嫌だな」と考える方もいるかもしれません。しかし上手に薬が飲めたなど、一日の中でも子どもの成長を感じることはできます。病児保育は、保育に追われていると気づけないような小さな成長も、しっかりと認めてあげたいと考えている保育士さんにはぴったりの仕事です。
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