保育所保育指針が示す保育の基本
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保育所保育指針とは
保育所保育指針とは、保育の基本となる『考え方』『ねらい』『内容』といった、一定水準以上の保育を行うための基準が定められています。2018年に改定された、保育所保育指針に定められている項目は6つ。
第1章 総則
第2章 子どもの発達
第3章 保育の内容
第4章 保育の計画及び評価
第5章 健康及び安全
第6章 保護者に対する支援
項目すべてに含まれる内容を踏まえて、各保育所は独自の保育理念や保育方針を決めることができます。
保育指針には、子ども達が健やかに育つために必要な内容も含まれているので、保育運営者だけでなく、保育士自身も理解して保育に反映させることが大切です。
それでは、保育指針の内容について解説していきます。
養護と教育の一体性について
保育指針に示されている養護と教育は、以下の内容となっています。
養護 | 生命の保持と情緒の安定を図ること |
教育 | 環境や活動により発達を援助していくこと |
養護と教育の一体性を図るためには、子ども達が安心して快適に過ごせる環境に配慮しながら、成長や発達を促すことができる保育環境を整えることが大切です。
保育のねらいと内容
「保育の内容」に書かれている「ねらい」には、乳児期の健やかな発達に必要な、以下の3項目に対する保育の目標が具体的に記されています。
- 健やかに伸び伸びと育つ
- 身近な人と気持ちが通じ合う
- 身近なものと関わり感性が育つ
3歳未満児の保育は、子どもの心身の成長に大きく左右する時期です。「ねらい」を達成できるように、日々の保育内容や個々に合ったかかわり方を工夫していきましょう。
領域との関わり
保育のポイントとなる領域は5つあります。
ねらい | 内容 | |
健康 | 健康な心身を育てる力を養う。 | 遊び・基本的な生活習慣・食育・安全等 |
人間関係 | 自立心を育て、周囲の人と関わる力を養う。 | 年齢にあった人との関わり方・ルール等 |
環境 | 周囲の環境に好奇心や探究心をもち、生活に取り入れる力を養う。 | 自然(生き物や季節)とのふれ合い・色や大きさなどの性質等 |
言葉 | 経験や思いを自分の言葉で表現し、相手の話しを聞こうとする力を養う。 | 言葉のやり取り・思いの言語化等 |
表現 | 豊かな感性や表現する力を養う。 | 音楽・絵画・制作等 |
カリキュラムの作成や保育に携わる時には、この5領域を意識することが大切です。
保育所保育指針における遊びの位置づけ
保育所で過ごす子どもたちの中心となる「遊び」ですが、保育指針では「発達の基礎を培う学習」として位置づけられています。
ただ「遊ぶ」のではなく、保育者はその遊びを通して、子ども達の【運動能力・協調性・表現力】といった、発達や学習に繋げていく必要があります。
保育所保育指針における保育士とは
児童福祉法の第18条第4項において、保育士は「専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。」と規定しています。
この児童福祉法を踏まえて、保育指針ではさらに、専門性の向上に努めることに言及しています。
では、保育士の専門性や保護者の支援について、保育指針ではどのように明記されているのか、詳しく説明していきます。
保育士の専門性
保育指針で提示されている保育士の専門性について、以下の7つがあげられます。
- 成長や発達を援助する技術
- 個々の発達や意欲を踏まえた援助をする知識と技術
- 遊びや空間の保育環境を構成する技術
- 遊びを展開していく知識と技術
- 人間関係を構築させる援助をする知識と技術
- 保護者の相談や助言をする知識と技術
- 倫理観に裏付けられた判断力
これらの点を踏まえて、保育士としての専門的な知識・技術・判断を身につけることが大切です。
保育所での保護者との連携と保育士
家庭との緊密な連携は、子どもの健やかな成長や発達を促すために必要不可欠です。保育所と家庭とで、子どもの生活の様子や思いについて共有しながら、その子に合った関り方を見出すことが重要です。また、保護者の家庭の状況などに配慮することも、より良い生活環境へと導くことに繋がります。
保育所における保護者への支援
大きな目標の1つである保護者支援では、保護者の意見を受け止め、専門性を生かして適切に対応することが求められています。保護者との信頼関係は、子どもの心身の成長や発達を左右する重要なポイントとなります。
子どもの最善の利益を考慮しながら、職員間での連携を図り、保護者支援に取り組んでいきましょう。
保育に携わる方に向けて
保育所保育指針には、子どもが健やかに育つために必要な保育の基準や、保育士としての資質、保護者支援といった内容が記されています。
子どもが過ごす保育環境の中には、一つひとつ意味があり、それを保育者が個々の発達や成長に合わせて選択していくことが、よりよい保育へと繋がっていきます。
保育指針の内容をきちんと理解して、保育に反映でいるように取り組んでいきましょう。
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